2014年05月24日

眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意

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眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意
遠藤保仁 西部謙司
カンゼン 2013-04-02
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評価

by G-Tools , 2014/05/24


『ボールが来る前に4つぐらいのプレーを常に考える。1つ目がダメだと、ダメになるのは、ダメなサッカー。』

サッカー界の絶滅危惧種、遠藤保仁に西部謙司さんがインタビューしたのをまとめた本です。

ピッチを俯瞰で見る


公園のベンチで座っているとする。遠くでブランコが揺れたのを見た。ここまでは誰もが感じることは出来る。だが、揺れたのは右から二番目のブランコだと意識する人はあまりいない。だが、遠藤はこういう風に周囲の環境を俯瞰で見ることを中学生のときからやっている。

試合でも、相手が変則的なフォーメーションを組んだときに、5〜10分間で各ポジションを把握するという。ピッチにいながら記者席で上から見ている取材陣と同じようなスピードで把握しているわけだ。

彼が俯瞰でピッチを見ているという証拠は、2012年のC大阪戦で顕著にあらわれる。

C大阪の攻撃で、清武のワンタッチパスがブレて、遠藤のところに突然転がってきた。相手の攻撃中だから遠藤は自分のところにボールが来るとは思っていない。けれど、転がってきたボールをダイレクトで40m先を全力で走るラフィーニャの足元へ低い弾道で通した。


バルサ的思考


「マークがついていてもボールをとられないと思ったらパスを出しますし、自分でも要求します。」

普通の人とは違って、マーカーがついていても、少し動いてボールを相手から遠い方向にトラップすれば取られることはないという考え。よくやるのがバックパス。遠藤が下りてきてセンターバックからボールを貰いダイレクトでまたセンターバックに返す。一見ムダなように思えるが、マーカーを遠藤が引き連れてくれば、そこにスペースが生まれ、誰かがそこでボールを貰えばチャンスになるわけだ。自分で反転するよりもセンターバックに戻した方が早いと。

遠藤には華麗なドリブルや強力なシュートもないが、正しく止めて正しく蹴ることにかけては第一人者だ。

どこへ止めて、どこへ蹴るか、どうプレーするか?の判断が早い。

同じようなタイプの選手がバルセロナのシャビだ。シャビはプレイ中に盛んに首を振っている。右を向いて左を向いてまた右と周囲の状況、相手のポジションと味方のポジションを常に頭に入れている。

面白いのは、遠藤はカルロス・レシャックに大変影響を受けたという。

ボール回しの練習をすると、みんなグルグル動き回ってかえってボールがまわらない状況に陥ったという。そこで、レシャックが、あまり動きすぎずに、ちょっとだけ動いて選手間でトライアングルを作るように指導したのだと。

当時、ヴェルディとの試合で前半0-1でリードされた時のハーフタイムに「大丈夫だ。前半だけでパスが40本も通っている。これがサッカーだ。」と言ったという。

結局、失点が多くて、レシャックはシーズン途中で解任されたから実質半年しか指導をしていないが、「ボール回しだけは上手くなった」と横浜FC監督の山口素弘も言っている。


一時期、遠藤の後継者は誰か?という議論が出たけど、彼の代わりはいないというのがよくわかる本でした。

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posted by dekasan at 00:24| Comment(0) | サッカー本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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