2014年04月27日

ロンドンオリンピック メキシコvs日本戦のプレス回避

先述の『あなたのサッカー「観戦力」がグンと高まる本』に掲載されていたロンドンオリンピック メキシコvs日本戦のプレス回避の説明です。

ロンドンオリンピック関塚JAPANの基本戦術はハイプレス&ショートカウンターです。

(1)永井、東の前線は相手センターバックにプレスをかける
(2)サイドハーフはボールに寄った側のサイドバックへプレス
(3)ボランチは限定されたパスコースの中央に寄せてボールを回収する準備をする
(4)ボールを奪ったら永井のスピードを活かしたカウンターを仕掛ける

これに対して、メキシコはボランチのサルシドをセンターバックの位置まで下げ、センターバックをワイドに広げて、サイドバックをあげてパスコースを作ります。図にするとこんな感じです。

football-formation2.jpg

こうなると人数が合わないので永井と東がいくらボールを追ってもスカされるだけです。ボランチ(山口蛍)が1枚サルシドについていくってのもあるんですが、この時はそこまでの発想も機転も効かなかったでしょう。ともかく、これでメキシコは日本のプレッシングを回避することに成功しました。

これでメキシコに主導権を握られた日本ですが、プレス&ショートカウンターを封じられても、自陣にリトリートしてからのロングカウンターという武器があれば勝てたかもしれません。走力で圧倒するFW、単独でドリブル突破できてボールを運べるFW、そのFWへ正確にパスを配給できるパサー(永井・宇佐美・清武)の3人がいたのですがそこまで成熟したチームではありませんでした。

このボランチが1枚DFラインに落ちてビルドアップするやり方は、今ではすっかりポピュラーになりましたが、Jリーグでも似たようなケースがありました。

2012年のコンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ戦です。

この時の川崎はなぜか縦に早いサッカーを志向していました。DFラインは後方でのパス回しをあまりせず、縦へのロングボールを蹴ってきます。

そこで札幌の石崎なんちゃってプレスは、まずDFの縦のコースを切ってプレスにいきます。ロングボールを封じられた川崎はつたないパス回しをさせられ、低い位置でボールを失い、ショートカウンターから前半で2失点をくらいます。

後半、川崎は温存していた中村憲剛を投入し、ロンドンオリンピック メキシコvs日本戦のように憲剛がDFラインの位置まで下がり、センターバックがワイドに広がりサイドバックが高い位置をとります。中村憲剛は時折前に出たり、DFラインまで下がったりと、相手FWとトップ下を交わすような形でパス回しに参加します。これで札幌のプレスを回避してビルドアップすることに成功しました。

この時、前半のように「ハメて守備をする」のか「2点のリードを守る」のか混乱した札幌の中盤が序々にあいてきます。更に、前線からの守備、ボランチの位置までプレスバックして激しく動いていた近藤がガス欠。怪我を抱えてテーピングをして出場していたサイドハーフの高木も明らかに動きが鈍くなります。

札幌は前半の勢いがまるっきりなくなり、後半はずるずると後退して、結局3失点して敗戦となりました。

この試合、そして次のFC東京戦での珍采配を目にした時、私は完全に石崎さんをあきらめたのでした。

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posted by dekasan at 12:31| Comment(0) | サッカー本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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